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秋のうたた寝
機械力学研究室 藤井大介
野田研究室に配属され、もう半年が経った。
私はここで、操作型取鍋傾動式自動注湯機の操作支援システムの開発を担当している。
教えられたことだけをただ覚えるだけの今までとは違い、この半年間は自発的な行動、学習が求められた。これがなかなか難しい。
野田研では、学生一人ひとりが自分で時間を作っては各々の研究を進めている。
つまり、自分のペースでいつ実験し、いつ休暇をとってもよいということである。半年前はそのシステムに非常に魅力を感じ、野田研配属を希望した。
当時はまだ、このシステムに隠されている自律学習の難しさに気付けていなかったのだ。希望通り野田研への配属が決まり、楽しい大学四年生を過ごせると思っていた。
もちろん、やらなくてはならないこともたくさんあるわけで、常にいくつかの「期限」という見えない壁が絶妙な距離を保ったまま、私にじわじわとプレッシャーをかけてくる。そして、突然ふと思い出したかのように目の前に現れる。課題は提出日前日に徹夜でやるという、追い込まれないと何もできない私にはいつもと変わらない平凡な出来事である。しかし、いつものように課題提出前日になって課題に取り掛かり唖然とした。やるべきことが多すぎて、どうあがいても一日では形にならない。今までのスタイルの限界を肌で感じた出来事だった。
限界を感じたからといって何かを急に変えられたのかというと、残念ながらそんなことはない。だらだらと時間は流れ、いつになっても同じことを繰り返している。
半年後、どのように春を迎えるのか。このつづきはまたいつか…。