関東支部の活動
研究
第36回加山記念講演会が開催される
(公社)日本鋳造工学会
本田金属技術株式会社
本橋 直恭
本田金属技術株式会社
本橋 直恭
2025年4月18日、第36回加山記念講演会が開催されました。ものづくり大学名誉教授の西直美先生より「鋳物・ダイカストに魅せられて」-それは「ばら状黒鉛鋳鉄」から始まった-と題してご講演いただきました。
長野県上松町の天体少年であられた先生が東海大学時代に研究されていた鋳物との出会い、鋳塊の表面層組織に関する研究を紹介していただきました。
その後、リョービ株式会社時代に開発された強靭性アルミニウム合金「ダイカストR110」の開発の紹介、そこで得られた教訓から鋳造圧力伝達に関する研究内容も紹介いただきました。圧力を計測するセンサーを自前で作り込み、溶湯圧力波形と鋳造欠陥に関わる現象を見える化し、鋳造圧力伝達がブローホールやひけ巣に関わる関係性を明確化された研究結果や異常組織のスリーブ内での挙動などの研究結果も紹介されました。
さらに、ダイカスト協会に所属されていたときには、超薄肉亜鉛ダイカストで現場力で達成された熱伝達についても紹介され、先生のモットーである「頼まれた仕事は断るな」に基づく約半世紀にわたる研究成果を紹介いただきました。
また、ものづくり大学名誉教授として現場から退官された後も、ダイカストに関する書籍を精力的に執筆活動されていることも、このモットーの表れであるとされています。
質疑応答では、現場で実施していた内容に理論づけをされた経験などもお話され、今までの経験から現場力というものが重要であることが分かる貴重な講演会でした。