関東支部の活動
YFE工場見学記
日産自動車株式会社 いわき工場
吉田研究室 修士2年 千葉浩行
日産自動車(株)の神戸氏による講演
工場見学当日の天気は青空が広がり、風が心地よい快晴。12:30にJR泉駅に総勢33人が集合。そこからバスと乗用車を使い10分程度で日産自動車(株)いわき工場に到着。工場外観は1994年より稼動開始と比較的新しい工場であることもあり、整然としてきれいな印象を受けた。
いわき工場はV型6気筒であるVQエンジンの専用工場である。このエンジンはフーガ、フェアレディZ、ムラーノなどに搭載されており、米国ワーズ社のワーズ「10ベストエンジン」賞に史上初、12年連続で選出されるほどの高性能エンジンである。また、直列4気筒のQRエンジンのシリンダブロックがこの工場で鋳造されており、そちらは横浜工場へと搬送されるとのこと。
YFE工場見学参加者
まず、工場に到着し、日産自動車(株)の神戸洋史氏により「自動車の軽量化動向」に関してご講演頂いた。当初予定されていた「ダイカスト不良対策」については時間の関係上ご講演頂くことはできなかった。しかし、アルミニウム合金やマグネシウム合金を用いた自動車部品の材料置換による軽量化や、自動車のスペースフレーム部品の大型化によるコスト削減等、軽合金の加工プロセス動向を各自動車メーカーによる例を挙げ、分かりやすくご説明いただけたので、大変勉強になった。
その後、工場見学へと移る。ここではエンジンの組み立てラインと鋳造ラインを見学させて頂いた。いわき工場はロボットによる自動化が積極的に取り組まれており、組み立てラインではクランクシャフト、ピストン等が自動で組み立てられていた。鋳造ラインにおいては溶解、鋳造、前加工各工程が自動・直結化されており、作業者がほとんど回りにいないことが印象的だった。鋳造後、鋳鉄のシリンダライナを鋳ぐるませるためのスライドコアが動き、鋳造品が取り出されその後急冷、方案の取り外しが行われ、前加工工程へと運ばれていた。また、リサイクルの観点から切粉用の溶解炉が1台用意されており、溶湯品質はKモールドによって管理されているようだった。
工場見学後の質疑応答では活発に意見が交わされており、有意義な時間を過ごす事ができたのではないだろうか。
最後に、大変お忙しい中、工場見学をさせていただいた日産自動車株式会社の方々に深く御恩礼申し上げます。