関東支部の活動

YFE

YFE工場見学記

日野自動車株式会社 新田工場

東京工業大学大学院 理工学研究科 材料工学専攻
里・寺田研究室 修士2年 吉田哲也

 2007年7月6日に日野自動車株式会社、新田工場の見学会に参加しました。当日の天候は梅雨の時期には珍しくからっと晴れた天気であり、若干汗ばむ暑さの中総勢27名の参加者が13:00にJR深谷駅前に集合しました。深谷市は都市計画としてレンガを活かしたまちづくりを進めており、駅や様々な場所でレンガ造りのレトロな建築物を見ることができました。

 駅前から送迎バスに乗り約20分で日野自動車㈱新田工場に到着しました。新田工場はシリンダーヘッドやシリンダーブロックの鋳造、エンジンやトランスミッションの加工・組立を行っている工場であり、この工場で日野自動車のトラックなどに搭載される中型・小型のディーゼルエンジンが製造されています。工場外観もさることながら、花壇や芝生がきれいに整備されており、とても心地よい環境で働くことのできる工場だと感じました。

 工場に到着し、初めに日野自動車での最新技術の取り組みについて大きく2つの説明をして頂きました。一つ目は井田鋳造部長による講演で、シリンダーブロックの鋳造時に使用する中子を3工程に分け、さらに直列に2個並べて製造する方法を用いることで、一体型のシリンダーブロックを2個同時に鋳造することができるというお話でした。もう一つは、鋳造部の荒井さんより、鋳鉄系切粉をプリケット化し溶解材料として使用することで省資源化・原価低減化を図る活動について説明して頂きました。いずれの技術も大学院での研究とは違い、実用製品の高品質化・低コスト化に直接結び付くものであり、とても勉強になりました。

 その後、鋳造工場内の見学をさせて頂きました。工場内では実際に溶湯が鋳型に注がれる様子を目の前で見ることができ、火花とともに真っ赤な溶湯が流れていく光景はとても迫力がありました。また、ロボットが中子を積み上げそのままひっくり返す一連の流れに、見学者一同目が釘付けになっていました。最後に切粉からプリケットが実際に製造されるところを見せて頂きました。工場内の管理は徹底されており、とてもきれいな印象を受けました。

 工場見学後、滝澤酒造見学・懇親会などの企画に参加し、様々な人との交流を深めることができ、とても有意義な一日を過ごすことができました。

 最後に、大変お忙しい中貴重な時間を割いて工場見学を実施、ならびにご説明して頂いた日野自動車株式会社の方々、すばらしい工場見学会を企画して頂いたYFE関東支部の方々に厚く御恩礼申し上げます。

以上