関東支部の活動

YFE

YFE委員会報告

鋳鉄の溶解鋳造実演 in NIMS

(独)物質・材料研究機構  高森 晋


写真1溶解鋳造を見学する来場者

 7月3日(日)に青少年を対象とした「物質・材料研究機構(NIMS)の特別公開」が行われました。例年であれば4月の企画ですが、今年度は震災の影響で延期となっていたが、状況が落ち着いてきましたのでこの時期の開催となりました。例年、「ピュータークラフト」や「金属の名前あて」などのイベントの一つに「鋳鉄の溶解鋳造実演」があり、今年もこの企画を鋳造工学会関東支部との共催として開催したわけです。
 「鋳鉄の溶解鋳造実演」では、高周波溶解炉で鋳鉄を約10kg溶解し、砂型に鋳造します。少しおいて型ばらしそして、鋳物を取り出すところまでを見学してもらうものです。鋳型は、炭酸ガス型と生型を用い。つくば市のマークや、小さなフライパンや鍋敷き、文鎮などを作ります。今年は、NIMSのキャラクターである「ニムス君」の栓抜きを作ることになりました。


写真2 今回作製の「ニムス君」栓抜

 「ニムス君」とは、NIMSの玄関ロビーにある3D映像を利用したNIMS紹介用ロボットです。写真に作製したニムス君栓抜きを示します。口の部分が栓を抜く場所で、おなかのあたりにロゴマークが入っています。最近では、あまり栓抜きを使いませんが、興味は持ってもらえたようです。

 展示コーナーには、いくつか鋳鉄サンプルを置きましたが、目玉は、日立金属様のサイコロ鋳物です。20センチほどの立方体の中空鋳鉄鋳物で、サイコロの目の部分が穴になっています。一人の中学生が「中空のサイコロ」をどうやって作ったのか不思議に思ったようで、質問してきました。中子の話を簡単にしたところ、合点がいったようで目を大きくして「なるほど!」と声を上げたのが印象的でした。


写真3 ベーゴマで楽しむ来場者

 鋳鉄材料を肌で感じてもらうことを考えて設けた「ベーゴマコーナー」では、親子でベーゴマを楽しんでもらえたようです。 ベーゴマ自慢をするお父さん、うまく回せなくてべそをかきそうになっている子など、様々な光景が見られました。
 鋳鉄の溶解風景など見飽きた方も学会の中には多いと思われますが、この企画ではそれなりに観客が集まってきます。やはり、鋳鉄の融けた色が印象的なのでしょうか。NIMSの職員でもわざわざ見に来る人がいます。次回は何を作るか、乞うご期待。