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日本鋳造工学会 第146回全国講演大会

YFE大会 第2部のご案内

凝固組織の形成と偏析挙動
東京工業大学名誉教授 神尾 彰彦

 鋳造用アルミニウム合金のほとんどが亜共晶組成の合金であり、通常の凝固は初晶α-Alデンドライトの生成と成長として進行し、最後に共晶相が晶出する。凝固過程におけるα-Alデンドライトの生成挙動と鋳巣の形成、ならびにデンドライト内の合金元素の分布と非平衡共晶の晶出などのミクロ偏析について述べる。

凝固割れ現象と評価方法
日本軽金属(株) 北岡 山治

 アルミニウム合金鋳物・ダイカストにおける凝固時に発生する割れに関して、発生機構、合金組成・成分の影響、溶湯処理の影響、鋳造条件の影響等々について概要を紹介するとともに、これらを元にした割れの防止方法についても紹介する。

アルミニウム合金ダイカストの強度部品への適用に向けた欠陥制御について
~破断チル層と介在物~
早稲田大学 物質開発工学科助教授 吉田 誠

 鉄鋼材料が強度部材として利用されているのは、機械設計者が採用するにたる機械的特性の信頼性(ばらつきの範囲)が保証されているからといえる。一方、一般的なコールドチャンバーダイカストでは溶湯中の介在物、注湯時および射出時の酸化膜、破断チル層が製品中のどの位置に、どれくらいのサイズで存在するか確定が困難であり、このことが信頼性保証のネックになっている。こうした問題が解決されたならば、ダイカストはさらなる大発展を遂げるのではないかと考えられる。本論がこうした議論のきっかけになれば幸いです。

シミュレーション利用による鋳造欠陥評価
東北大学 金属フロンティア工学専攻教授 安斎 浩一

 不良対策に対して、鋳造シミュレーションがきわめて有効な手段であることは、もはや鋳造技術者の常識となっている。しかし、鋳造シミュレーションでは、いまだに鋳造プロセスの一部が考慮されているだけであり、必ずしも合理的な利用方法が確立されているわけではない。本講演では、著者らが開発した鋳造CAEシステムの適用事例の紹介を通じて、鋳造シミュレーション技術の有効性とその利用技術について解説する。