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リレーエッセイ

社の「秋祭り」地域住民との鋳物づくり

日野自動車株式会社 鋳造部 井田雅也

 弊社には3つの工場がありますが、私の所属している新田工場(群馬県)では、毎年10月の第三日曜日に「秋祭り」を行っています。当日は、地域の方々との交流をより深めるため、「バスでの工場見学ツアー」、「各種車両展示」、「子供向けキャラクターショー」、「ザリガニ釣り」そして「地域住民の方による日本舞踊」や「各種バザー」等、趣向を凝らした数多くのイベントを行っています。中でも「工場見学ツアー」では普段見られない、ディーゼルエンジンの組立ライン、ロボット、無人搬送機などが人気で、大型バス3台をフル回転させても、行列が出来る程の盛況で、待ち時間30分以上にもなります。

 場の部署毎に工夫を凝らしたイベントを開催します。私達の鋳造部では、一般の方々が知らない自動車鋳物部品の製造工程を理解いただくため、関東支部YFE活動の企画“こども鋳物教室”を発展させた同名のイベントを開催しています。初めての昨年は、実際の部品と同じ普通鋳鉄品を地域の子供たちと一緒に作りました。大きな手ごたえを感じましたが、仕上げに時間がかかりその場で参加してくれた子供たちに鋳物作品を渡せず、少し興味をそいでしまいました。そこで今回は、仕上げが簡単なホワイトメタル(融点450℃)に変更、参加した子供たちに自分で鋳造したものをその場で渡すことができ、子供たちの笑顔を見ることができました。また、溶解を日本るつぼ株式会社様から借用させて頂いた電気炉でスピーディにできたことも成功の一要素でした。

 実際の作業手順としては、模型選び、型込め、枠合わせまでを子供たち自身にやってもらい、注湯、枠バラシ、グラインダーによる荒仕上げ作業については、安全性を考慮して私たちが行いました。仕上げ、バリ取り、磨き作業を再度子供たちが行い、作品を完成させました。用意した7種類のキャラクター模型から好きなものを選んでもらいます。それを用いてオス型をつくります。型込めは、あえて砂型を使い、子供たちに(鋳)モノづくりの複雑さと楽しさを体験してもらいました。金属が実際に溶けている様子、また凝固する過程を見るのは、全員初めてとあって、「ターミネーターみたい!」と言いながら目を輝かせ、興味津々の面持ちでした。仕上げが終わったらキーホルダーやペンダントに細工して出来上がり!最後に、デジカメに向かって「はいポーズ」の最初のグループ 、これで火が着き、第2募集では参加希望者がたくさん集まり先着抽選に、外れた方には「ごめんなさい!」となりました。次回は、参加希望者すべてが参加できるようにするため、いかに生産性を上げるかが課題となりました。

 実施したアンケート結果では、「小学校低学年の子が多い、意外と女の子に人気がある。」などの興味深い集計となりました。「女の子に人気ある」のは年齢を問わず「女性はヒカリ物に弱い」 からだろうか。また、「鋳物は知らなかったが、作るのは楽しい」、「またやってみたい」という声が多く聞かれ、子供たちからは、「面白かったよ、ありがとう」 「また来年も来るね」 などなど、うれしい言葉も聞けた有意義な教室を開催できました。次回は、自動車鋳物をもっと、もっと知ってもらえる様、エンジンのカットモデルの展示、実際に作っている中子の展示等を行い、お店自体も派手にアピールし、見て・触って・作って・・更に楽しい教室を目指したいと思います。

 最後に、来る5月に千葉工大にて実施される、第150回鋳造工学会春季全国大会の企画の一つである「鋳物体験教室」にて、弊社のエンジンブロックの、ミニチュア鋳物の型を提供させて頂く事になりました。お祭りイベント同様、楽しく有意義な企画となるようにお手伝いできるのを楽しみにしております。