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試料研磨の重要性

関東支部 KM

 試料YとZの黒鉛組織観察のため、 A君、B君の2人に同じ試料を研磨してもらい、それらの顕微鏡写真と画像解析結果を以下に示しました。

 Bに比べAは研磨不足で、黒鉛が落ち込んでいるため、黒鉛にピントが合わず、その輪郭もぼやけて痩せた様に観察される。試料は同じだが画像解析結果には大差が出ました。黒鉛球状化率が特に大きく、磨きの良いBはAの約2倍になり、また粒径や面積率は増えているが、黒鉛粒数は減少する結果となりました。

 「研磨作業にはコツがあるので、時間を掛けたから丁寧にやったから良い」というものでも無いようです。どうしたらBの様になるのか考え工夫しながら研磨作業することが大切なようです。先ずはやって見ることでしょう、コツをつかむまで。

  A(研磨不足) B(研磨満足)


Y
試験Y-研磨不足 試験Y-研磨満足
黒鉛球状化率:32%
粒数:102個/mm2
平均粒径:33μm
面積率:7.5%
黒鉛球状化率:78%
粒数:67個/mm2
平均粒径:45μm
面積率:10.0%


Z
試験Z-研磨不足 試験Z-研磨満足
黒鉛球状化率:44%
粒数:199個/mm2
平均粒径:24μm
面積率:6.8%
黒鉛球状化率:81%
粒数:177個/mm2
平均粒径:28μm
面積率:9.9%