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鋳物用語解体新書

タップ:tap:出銑

今の鋳物工場では、気炉熔解が多いが、かつて甑(こしき)やキュポラ熔解では、炉底に溜めた溶湯を出すのに炉壁に穴を開けていた。これが電気炉でも使われ、出湯を意味する言葉としてタップが使わることがある。

英語では「tap」と書く、<[名詞] ①樽の栓、水道のコックや蛇口、②雌ねじを切る工具、[動詞]容器から栓を抜いて出す。樽などの栓を抜く>と訳されている。

出銑の「銑」は、銑鉄のことで、これは高炉と呼ばれる炉で、鉄鉱石をコークスで還元して作られる熔銑を金型に流し固めたものです。高炉は一度火を入れると長期間使用される。底にある熔銑溜まりに熔銑が溜まったら穴を開けて出銑、その後穴に栓をして溜め、溜まったらまた穴を開けて出銑を繰り返す。

※鋼は熔銑からつくられる。鉄鉱石を高炉で還元して熔銑が作られ、これに酸素を吹き込み、炭素(4%以上)のほとんどを抜いたものが鋼です。熔銑を固めると銑鉄で鋳鉄の原料になるが、熔銑のほとんどは鋼をつくるために使われています。

(H.K)
(2010年9月)