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鋳物の「鋳」
「金」偏に「寿」と書いて「鋳」の語源は、「型の中に溶融した金属を注いで、満遍なく行き渡らせること」と「漢字の字典」に書かれている。
<動詞>「鋳る」:金属をとかして型に流し込み、器物を作る。転じて、思わしいタイプを造り上げる。その用法には、「鋳鉄」、「鋳造」、「鋳型」などの他に「孔子顔淵※)を鋳る」や「難に臨んで遽(にわ)かに兵を鋳る」などの例が挙げられている。
こうなると「鋳る」は、人(顔淵や兵士)にも使える奥深い言葉であることが分かる。「金」と「寿」の組み合わせ“めでたい”漢字である。今までは古風な漢字、専門用語などととられがちな言葉だったが・・・・・・・。
※)顔淵(がんえん):孔子の第一の後継者、顔回(がんかい)のこと。論語に出てくる30歳の若さで夭逝した。
(H.K)
(2011年1月)