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鋳物用語解体新書

可鍛コロ【かたん-ころ】とメカス

 熔解原材料の中に「可鍛コロ」や「メカス」などの言葉が出てくる。はて何のことやら分からず、鋳物用語辞書を引いたが載っていない。Netで調べたら「鉄スクラップ関連用語解説」や「リサイクル用語集」に前者があった。

  • 可鍛コロ 鉄の溶断ヌキアミや端材をハガキ大の大きさに切断処理したもの。関西用語で配合甲山と同格のものを可鍛コロという。コロは小さいという意味で転がるという意味ではない。
  • メカス 小さな鉄片をいう。今度は「ヌキアミ」と「配合甲山」が分からない。
  • ヌキアミ 畳一枚分程度の大きさの金属板から機械部品などを型抜きした残り屑のこと。型抜き後、金属板が網目状になることからこう呼ばれている。
  • 配合甲山 単に配合ともいい、主としてシャーリング工場から切断、打ち抜きによって発生する炭素分、Cr含有量の少ない3mm以上の軟鋼スクラップで可鍛鋳鉄向けの原料となる一級品のものをいう。加工スクラップに類する。
 

これらは、スチールスクラップの呼称だった。その他を挙げると、

  • ①溶断屑溶断とは、ガスなどによって鉄を切断する方法のこと。溶断屑はその際に発生する鉄屑のこと。
  • ②ギロチン材金属スクラップの中で、長尺物のことを指します。ギロチンで切断する必要があることから、こう呼ばれています。略してギロ材とも呼ばれ、ほとんどが鉄のスクラップ。
  • ③プレス抜き金属板から部品などを型抜きする方法の1つで、型抜きしたいものの型を金属板の上に当て、プレス機で押し抜くこと。また、この方法で型抜きした後の残り屑そのもののこと。
  • ④ポンチ鉄材を打ち抜いた主に鋳物用のものをいう。
  • ⑤ジャミ鉄製鋼時にジャミ銑と同じように小さく固まってできる鉄分の多いものを指す。鋼流れと似ているが多少違う。これも関西で使われている用語である。
  • ⑥故銑、鋳物スクラップズク又はふるズクともいう。銑鉄、鋳物製品、例えばロール、鋳型、各種機械類の老朽化したものを指す。
  • ⑦ASRAutomobile Shredder Residueの頭文字で、自動車系シュレッダーダスト(自動車破砕残さ)をいう。

(H.K)
(2011年2月)