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鋳物用語解体新書

めっき

 「めっき:plating」は物体の表面を金属の薄膜で覆うことを示し、その昔は「金銅」と表現されていた日本生まれの言葉である。「金銅」は三省堂の大辞林によると「または青銅に金めっきしたもの。仏像などの美術品建築装飾に用いる」と説明されている。また、日本書紀には「金銅仏像が朝鮮半島の百済から我が国に伝来した」ことが記録されており、「金銅」に関して確認できる最古のものと言われている。国内では藤の木古墳(6世紀後半のものと推定)からは「金銅馬具」が出土されており、これらは日本で作られたといわれている。鋳造により造られた東大寺の大仏も、金めっきした「金銅仏像」として有名である(出典:http://azuma-p.co.jp/history.htm)。

 当時のめっきは、現在の湿式法(電気めっきや無電解めっき)ではなく、アマルガム法で作られた。たとえば、金をめっきする場合は水銀に金を溶かして「金アマルガム」を作る。これをめっきしたいものに塗り、熱をかけると水銀が蒸発して金だけが残る。アマルガム法で発生する水銀蒸気は人体に非常に有害であるため、現在はこの方法が用いられることはない。

(A.Y)
(2012年2月)