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鋳物用語解体新書

はばき、巾木、幅木、core print

 日本刀の「鎺:はばき」も語源の一つではないかとの嬉しいmailをいただきました。今まで気付かなかったので総合的に、この言葉を調べてみました。

  1. 日本刀の「鎺:はばき」

    漢和辞典で「刀のつばをとめて刀身が抜けないようにするもの。」
  2. 鋳物用語辞典の「幅木、巾木:はばき」は、「中子に付随してこれを支え、湯によって中子が動かないようにするもので、品物にならない部分」となっている。
  3. 住宅建築専門用語辞典「幅木、巾木:はばき」は、壁と床との取り合い部に付ける部材、壁の保護と取り合い部の隙間をふさぐ役割をする。」
  4. Webで検索、ウィキペディア(Wikipedia)では、ハバキ(鎺・はばき):日本刀の部材の一つで、刀身の手元に嵌める金具である。そして、刀身が鞘から容易に抜け落ちることを防ぎ、かつ、刀身を鞘に固定する機能がある。刀身は鞘の中で棟(むね)とハバキによって支えられ、他の部分は宙に浮いている状態で保持される。

 鎺は、刀身が抜け無いようにし、刀身を鞘内で浮かせた状態 で保持している。すごい機能だ、縁の下の力持ち、黒子である。芸術であり、機能美であり、科学がある。先人に脱帽です。鋳物の中子の巾木はそのものであり、建築の巾木は、これが取り付けられている場所を取ったもののように思われる。また、野村さんは、『刀身の刃が付いていない、手元の柄で覆われる部分を「茎(なかご)」というそうです。』とmailで送ってくださいました。

 以上、おかげさまで、内容の濃い「鋳物用語解体新書」が出来ました。mailくださった新潟原動機㈱ 新潟鋳造工場、技術チーム 野村尚生 様ありがとうございました。

(A.Y)
(2012年7月)