関東支部のご案内

年頭の挨拶

温故知新と新旧融合

公益社団法人 日本鋳造工学会 関東支部
支部長 熊井 真次
井田 雅也

 皆様、新年あけましておめでとうございます。

 本年が皆様方にとってよき一年となりますよう、お祈り申し上げます。

 さて、関東支部では毎年加山記念講演会や支部講演会、現場鋳造技術研究会を開催しております。そこでは皆様とともに、鋳造工学に関わる学術や技術、製品開発、製造現場で実践されている改善事例、人材育成等に関するたいへん興味深く、貴重なお話を伺うことができます。また近年は全国講演大会や技術講習会において、鋳造工学のこれまでの歴史を回顧するとともに、製造技術や組織観察、数値解析に関する最新動向を紹介する企画が組まれており、関係各位の工夫と努力に頭の下がる思いです。

 このような中で、最近、新たな手法の導入により発見された事実が、これまで我々が拠り所としてきた凝固組織や鋳造欠陥の形成機構の信憑性に疑問を投げかけている事例を見聞きする機会が増えてきています。これは大変喜ばしいことだと思います。「温故知新」の教えのように、例えば鋳鉄における黒鉛の球状化、Al-Si系合金の共晶Siの改良等についても、過去の研究の歴史を振り返るとともに、最新の解析技術を駆使することによって新たな知見の獲得に努め、定説に囚われることなく、一歩でもその本質に近づけるよう努めることが重要だと考えます。この過程で、新たな材料開発の種を見出すチャンスに出会うことも期待できます。

 このような夢を実現するためには最新の解析技術を駆使できる若手会員と、経験豊かな年配の会員との積極的な「新旧融合」が不可欠です。ぜひ関東支部会をそのための架け橋にしていただければと思います。会員の皆様のより一層のご支援、ご鞭撻をお願い申し上げます。

 

(平成26年1月)