関東支部のご案内

年頭の挨拶

予想がつかない年、始まる

公益社団法人 日本鋳造工学会 関東支部
支部長  本保 元次郎
本保 元次郎

新年明けましておめでとうございます。
 
 新しい年が始まり、会員の皆様方には何かとご多忙の日々を過ごされているものと思います。昨年は、年末に株価も上昇し景気はやや上向き状態、それに続き今年も、不安定要因もありますが、国内景気は官公需の下支えのもと緩やかな回復基調が続くと概ねの予想が出ています。また、安倍内閣も6年目に入り、政治的にも安定した国内情勢となっています。

 一方、海外に目を向けてみますと、イギリスのEU離脱準備や世界各地で頻発に発生するテロなどの様々なニュースがあります、しかし、何といってもアメリカ合衆国で、ドナルド・トランプ氏が第45第大統領に就任というショッキングな出来事が起こっています。昨年のアメリカ大統領選では、私も含めて大方の人は、ヒラリー・クリントン氏が次期大統領になるものと期待していました。ところが蓋を開けてみると、僅差でトランプ氏が当選をはたしました。これにより、アメリカが変わり、世界が方向のわからない大きな変化を迎える年、言い換えると予想がつかない年に入ったと言えるのではないでしょうか。

 随分昔に言い古された言葉ですが、「アメリカが苦沙味をすると日本が風邪を引く」のがありました。どうも今年は、この言葉が妙に当て嵌まるような気がします。新年早々に、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱、北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し等を立て続けに打ち出し、アメリカは時代と逆行した保護貿易主義的な色合いを強めています。そして、これらの施策が日本の主要産業である自動車業界において、世界的戦略の大幅な見直しを余儀なくされるだけでなく、他の多くの産業においても少なからず影響を受けるものと予想されます。これをビジネスチャンスととらえるのか、障害ととらえるのか判断が難しいところです。これからの世界経済や貿易機構が変わっていくのは一致した見解ですが、どのように世界が変わって行くのかは全く不透明であります。

 さて、気を取り直して話題を変えますと、第169回全国講演大会が5月26日(金)から5月29日(月)にかけて、東京都市大学世田谷キャンパスにて開催されます。東京都市大学では、今回が日本鋳造工学会全国講演大会のはじめての開催となるため、はじめて訪れる会員の皆様も多いものと思います。東急大井町線の尾山台駅から徒歩12分、閑静な住宅街に囲まれた落ち着いた世田谷キャンパスです。大会では、研究発表講演大会をメインとして、通常総会、技術講習会、パネルディスカッション、全国YFE大会、カタログ展示、PRセッション、企業紹介、工場見学会等、盛り沢山の企画が用意されています。詳しくは、会誌「鋳造工学」2月号と3月号の会告に掲載されますので一読いただき、是非ご参加いただけますよう、よろしくお願い致します。

 2017年は、どう変わるのか予想がつかない年になりそうです。鋳造業界においても、影響があるものと思います。しかしながら、高い技術に裏打ちされた日本の鋳造業界は、無事乗り越えていくものと確信しています。

本年も会員の皆様の益々の発展を願うとともに、鋳造工学会の活動へのご理解とご協力をよろしくお願い致します。

(平成29年1月)