誰でも分かる技術

誰でも分かる鋳物基礎講座

現場におけるQC的問題解決の進め方(第9回)

公益社団法人日本鋳造工学会
佐藤 万企夫
4 問題解決の手順(QCストーリー)その5
STEP7 標準化と管理の定着
 対策の結果、効果のあったものを継続して実施するため、その方法を日常業務のルールの中に組み込むことが標準化である。標準作業書とかマニュアルに記載し、維持継続できるようにするため、継続的に教育や訓練を繰返し、決めたことが風化しないようにすることが大切である。また維持できていることを確認するために、管理特性を明確にし、管理項目、管理水準を決めておく必要がある。同じようなものに対する水平展開も重要である。
 最後に活動の振返りを行い、次への課題を明確にしておくとよい。
 QC的問題解決法のステップで、グラフ、ヒストグラム、パレート図、特性要因図、系統図、層別等のことばを用いて説明してきたが、これらはQC手法と呼ばれており、データを整理して問題を解きほぐすのに利用される簡単で便利な手法である。QC手法には、主に数値データを見える化する「QC7つ道具」と、言語データを整理する「新QC7つ道具」がある。
おわりに
 品質管理は、お客さまの満足を得られる適正品質を。自工程で徹底的に造りこむことである。一般的な問題の約95%は、QC7つ道具を駆使することにより解決できる、と言われている。従って専門技術はもとより、統計的な考え方とQC7つ道具を身に着けることが大切である。そしてどのようなときにどの手法をどう使用すると効果的か、十分に理解して欲しい。

なお本講座の後半でこの辺の説明をする計画である。