誰でも分かる技術

誰でも分かる鋳物基礎講座

現場におけるQC的問題解決の進め方(第4回)

公益社団法人日本鋳造工学会
佐藤 万企夫
3 QC的なものの見方・考え方
3.5 重点指向
 いろいろある管理・改善項目のうち、特に効果の大きいまたは緊急性を要す重要な問題に焦点を絞って取り組むことをいう。これは私たちの持つ原資(人、もの、金、時間、情報、技術等)は限られているので、この限られた原資を有効に活用し、成果を出すためには、最優先に解決するべき重要な問題を取り上げることをいう。
 この考え方を具現化するには、パレート図等で問題を分析し、整理するとよい。

3.6 プロセス管理
 プロセス管理とは、仕事の結果のみを追うのではなく、仕事のやり方や仕組み(仕事のプロセス)に着目し、これらを向上させることである。仕事の結果をチェックし検査しても、よい品質の商品やサービスを作り出すことはできない。よい結果は、仕事のやり方、進め方で決まるものである。つまり、結果追うのではなく、仕事のプロセス(PROCESS、方法・過程)を管理していくことが重要で、プロセス(工程)を構成している作業者、材料、部品、機械、設備、作業方法、計測方法、作業環境等(即ち4Mとその付随条件)をしっかり標準化して管理することである。


3.7 標準化
 ものの作り方、仕事のやり方や仕組みを最適なものに決めることである。プロセスを管理し、工程内で品質を造りこむ。標準とは仕事をする上での決め事で、全ての仕事のよりどころになり、ものの状態や仕事のやり方について、今考えられる最善・最良の方法を示している。そしてこれは技術の進歩、技能の向上や改善によって向上していくもので、それに伴い変更されていく。
 以上述べてきた「QC的なものの見方・考え方」で仕事を進めることで、同じことを繰り返すことの無い強固な組織を作ることができる。そして誰が仕事をしても均質な商品をお客さまに提供できるようにするための大前提が仕事の標準化である。標準作業を一人ひとりの作業者まで徹底することが大切である。